「ボディスキャン」のやり方

 

ボディスキャンとはその名の通り、身体をスキャンするかのように、身体の部位の一つ一つに丁寧に意識を向けていくマインドフルネス瞑想です。

 

身体に意識を向けることが少ない私たちにとって非常に重要になります。頭で考える癖が強すぎる私たちは、自分の身体に意識を向けることをしません。

 

痛いとか痒いとかそういった場合は、自分の意思とは無関係に意識がその部位に向きます。しかし能動的に「自分の身体は今どのような状態か?」と意識を向けることはありません。

アスリートや身体を何かしらの方法で鍛えている人以外は、そんなことを考えたことすらないかもしれません。

 

身体に意識を向ける行為はとても大切です。

 

なぜなら自分の身体に意識を向けるということは、自分の心に意識を向けることでもあるからです。

 

よく「心と身体はつながっている」と言い方をする人がいますが、それは間違いです。「心と身体は同じもの」というのが正解なのです。

 

心と身体は別けることが出来ません。ですから身体に意識を向ける(観る)のは心に意識を向ける(観る)ことなのです。

 

心を変容させようと望むのであれば、心をコントロールしたいのであれば、自分の心を真正面から観る必要があります。しかし自分の心を真正面から観るのはなかなか出来ません。

 

自分の心を観るには勇気がいるでしょう。観ることで心がしんどくなり、場合によってはうつ状態になることもあるでしょう。

 

心を真正面から観るのはリスクがありますが、身体を観るのはそれほどリスクはありません。

 

身体を観るということは、心を観ること。身体を観ることを続けていけば、心を変えることが可能なのです。

 

これからボディスキャンに取り組む人や、取り組んだ経験がない人にはピンとこない話しかもしれません。

 

しかしボディスキャンに継続して取り組んでいると、「心と身体はおなじもの」の意味が腑に落ちて心はどんどん良い方向に変化していきます。

ボディスキャンはメンタルを超強くする

ボディスキャンに取り組むほどに、不安を始めとする嫌な気持ちに囚われなくなります。その他のマインドフルネス瞑想でも続けていくと、嫌な気持ちに囚われなくなりますが、ボディスキャンはさらに効果があります。

 

なぜ私たちは不安や嫌な気持ちに囚われるのでしょうか?

 

その理由は単純で、不安や嫌な気持ちに意識を向けてしまうからです。不安や嫌な気持ちに意識を向けると、そのことについてクヨクヨと考えてしまいます。

 

考えれば考えるほど、不安や嫌な気持ちは大きくなります。大きくなるほどに頭の中は不安や嫌な気持ちでいっぱいになり、抜け出せなくなりますね。簡単に言えばこれが囚われた状態です。

 

もちろんこれは自分の意思ではありません。意思とは無関係に不安や嫌な気持ちが浮かび、意思とは無関係に大きくなってしまうのです。脳の特性上、これは仕方がない部分もあります。

 

しかし自分の意思でこれをどうにかする方法はあります。それは意識を不安や嫌な気持ちから反らすことです。

 

大きくなる前に意識を他に反らせば、それについて考えることをしなくなります。つまり囚われなくなるということです。

 

そうは言ってもこれがなかなか出来ません。

 

なぜなら多くの人がその方法を知らないし、訓練したこともないからです。私たちは学んでいないこと、訓練していないことは出来ないようになっています。

 

だから不安や嫌な気持ちに上手く対処できないのは当たり前。せいぜい、お酒や暴飲暴食、愚痴を吐く、話しを聴いてもらうことくらいしか出来ないのです。

 

これらの行為は一時的な効果しかありません。長期的に続けるとより不安や嫌な気持ちが増大していきます。なのでよほどの場合でない限り、おススメしません。(傾聴が出来る人に話しを聴いてもらうのは効果があります。しかし本当の意味で傾聴が出来る人はあまりいません。カウンセラーの中にも)

 

ではどこに意識を反らせば良いのか?それは自分の身体です。自分の身体に意識をしっかりと向けることが真の対処法なのです。

 

自分の身体に意識を向ける訓練がボディスキャンになります。ボディスキャンに取り組むほどに意識を不安や嫌な気持ちから反らすのが上手になり、囚われにくい心が身に着きます。

 

これが体現出来る人をメンタルが強いと言うのです。

心は頭でなく、身体でコントロールする

ボディスキャンに取り組むほどに、自分の身体に意識を向けるのが上手になります。その結果、不安を感じた時や嫌な気持ちが生じた時でも、身体に意識を向けて反らすことができるようになるのです。

 

そしてある程度、取り組むとそれが自動化されます。

 

わざわざ意識しなくても、すぐに不安や嫌な気持ちから意識が離れ、冷静になれるのです。

 

ここまでお伝えしたように、身体に意識を向ける訓練(ボディスキャン)は心をコントロールするために非常に有効です。

 

実際にPTSDやトラウマの治療で、身体に意識を向けるワークは必須となりつつあります。(日本ではまだまだ)

 

私はクライアントや講座を受講しに来られた方に「心は身体でコントロールする」と言います。嫌な気持ちを消そうと思ったり、考えたりしてもコントロール出来ません。むしろ逆効果です。

 

身体に意識を向けるのが上手になればなるほど、嫌な気持ちに囚われなくなります。ここで一つ勘違いして欲しくないことがあります。

 

それはボディスキャンをいくら行っても、不安や嫌な気持ちが生じるのは0にはならないということです。

 

嫌な気持ちが生じるのは人間として当たり前。それ自体は何の問題もありません。問題なのは、囚われて前に進めないことです。

 

不安もその他の嫌な気持ちを感じるOKなのです。

ボディスキャンのやり方

それではボディスキャンの具体的なやり方についてです。

 

どんな体勢や状況でも実践可能ですが、初心者の方や慣れていない人は呼吸の瞑想と同じく座った状態で行った方が良いでしょう。

 

胡坐を組むのは難しいので椅子に座った状態でOKです。

 

椅子に座り姿勢を正して(猫背にならないように)、両足をペタっと床に着けておきましょう。

 

床についた足裏に意識を向けます。足裏と床の接地面を観察します。足裏のどこが強く触れているのか?左右差はどうか?どこに力が入っているのか?

 

これは考えたり、イメージしたりではありません。実際にその部位を感じるのです。

 

そして足裏に意識を向けたときに、頭の中に浮かんでくる思考や言葉にも注意を払いましょう。足裏から意識が反れたらすぐに足裏に意識を戻します。

 

これを1分間繰り返してください。

 

その他の身体の部位も同じように実践していくのですが、まずは足裏に意識を向けることを徹底的に行ってください。一か月は実践しましょう。

 

一か月も実践したら自分の身体に意識を向ける行為はだいぶ上手になっているはずなので、少しづつ他の部位も行っていってください。

 

地味ですが本当に効果的なので、コツコツ取り組んで欲しいと思います。

 

*ここで紹介しているマインドフルネス瞑想は、この通りにきちんと実践するように心がけてください。自分に都合良く解釈して取り組むと場合によっては心身の不調を招くリスクがあります。一人で行うのが難しい場合はセミナーやパーソナルトレーニング(8週間プログラム)に参加することをおススメします。