「今この瞬間」に意識を向けるとは?

マインドフルネスはどういう意味ですか?と質問されることが少なくありませんが、私は簡潔に「今この瞬間の気づき」と答えています。詳しく知りたい方は講座やセミナーを受けて頂くのがベストです。

 

「今この瞬間の気づき」と答えられても多くの人にとってはわかったような、わからないような感じだと思います。「今この瞬間の気づき」は言い換えると「今起きている目の前の出来事にきちんと(囚われずに)意識が向いているか?」となります。少し長くはなりますがこちらの方がイメージしやすいのではないでしょうか?

 

あなたはご飯を食べているとき、ご飯を食べることに100%意識を向けていますか?しっかりと味わって食べていますか?多分、別のことを考えながら、別のことに気を取られながら食事しているのではないでしょうか?「ながら食べ」というやつですね。

テレビを見ながら、スマホを触りながら、明日の仕事のことを考えながら、昨日のことを思い出して頭の中が過去や未来をいったりきたりしていませんか?意識が「今この瞬間」にない状態です。

この状態を専門的にデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が活動していると言います。詳しくは→デフォルト・モード・ネットワークについて

意識が「今この瞬間」にないとき私たちは、自分の意図とは無関係に頭の中が過去や未来など、様々な方向に意識が拡散した状態(マルチタスク)になっています。

 

意図しないマルチタスクは集中力を低下させると同時に、「今この瞬間」に意識を向ける能力も低下しさせます。また「今この瞬間」に意識を向ける能力が低下すると精神的ストレスは強くなり、心が疲弊します。

 

なぜなら私たちの心は意識が「今この瞬間」にないとき、たいてい過去や未来を元にしたネガティブな思考や感情に囚われているからです。怒りや焦り、不安や自己嫌悪などそのほとんどが「今この瞬間」に意識がないときに生じることがわかっています。それだけでなく意識が拡散しているとき、私たちの心は無防備になっているためストレス耐性や対処能力も低い状態なのです。

 

残念ながら多くの人がこの状態を当たり前のものとして日々の生活を送っています。当たり前の状態になっているので、その違和感やおかしさに気づくことはありません。

 

ネガティブな思考や感情は外部の刺激によって引き起こされると信じているため(一部はそう)、その原因が自分の意識が「今この瞬間」にないことにあるとは想像もしないはずです。当然「今この瞬間」に意識を向けようという意識すらないでしょう。

「今この瞬間」に意識を向ける方法

ネガティブな思考や感情を手放すために、心を落ち着かせて整えるために意識を「今この瞬間」に向けることが大切です。しかし多くの人にとって「今この瞬間」に意識を向けることはなかなか出来ません。

 

「今この瞬間」に意識を向けると説明されれば頭で理解することは可能ですが、それは体現するのは非常に困難でしょう。これはある程度の訓練が必要になります。マインドフルネスの実践や瞑想がその有効な訓練です。

 

 

まだまだ勘違いしてる人が多いのですが、マインドフルネスの実践や瞑想はただリラックスするために行うものではありません。「今この瞬間」に意識を向けるという感覚を身体で覚えることが目的の一つとなります。

 

「今この瞬間」に意識を向けるを体現するための呼吸を用いたマインドフルネスの瞑想をこれから紹介しようと思います。

まずは座れる場所を探してください。家でも会社でも通勤時のバスや電車の中でも大丈夫です。座る場所がなければ立った状態でも可能です。座ると言っても無理に胡坐(あぐら)を組む必要はありません。胡坐は組むのが難しく、初心者の方が準備体操もなくいきなり行うのは困難です。無理に行うと膝や腰を痛める原因になります。無理せず椅子に座って行いましょう。

 

正座でも大丈夫ですが、膝に注意して行ってください。上半身の姿勢ですが、頑張って胸を張ったりせずに猫背ににならない程度の意識で良いでしょう。

次に目を閉じてゆっくり呼吸を意識します。鼻から吸い、吐くときは鼻でも口でもかまいません。鼻腔に空気が入る感覚、空気が喉を通って肺に入る感覚、胸やお腹が動く感覚に注意を向けます。その感覚に意識を向け続けてください。(頭で考えたりイメージすることではない)

しかしすぐに意識が呼吸以外に反れたり、いろいろな思考が浮かんだり感情が生じたりすると思います。それはそれでOKなので、その時にするべきことは意識が呼吸から反れたら反れたことにすぐに気づき、すぐに呼吸の感覚に意識を戻します。

 

これを3分ほど繰り返してみてください。慣れるまでは、意識があちらこちらに飛んだり、自動的に生じる思考にどっぷりと浸かったり、頭の中に浮かぶイメージに振り回されたりと呼吸に集中することが難しいかもしれません。

最初はそれで大丈夫です。これを続けると次第に「今この瞬間」に意識を向けることが感覚的につかめるようになってきます。それと同時にこれまでは意識しなかった様々な事象や、自分の内面の気づきが増えてきます。

 

それに比例してネガティブな思考や感情が生じることが少なくなったり、集中力が高まったりということが実感できるはずです。私たちの心(意識)は「今この瞬間」に向けば向くほど、メンタルは強くなり持っている能力も発揮できるようになってくるのです。

 

集中力が低く仕事や勉強のパフォーマンスが低い人、ネガティブな思考や感情が浮かびやすい人、日々の精神的ストレスが強い人は「今この瞬間」に意識を向ける訓練(マインドフルネス)に取り組んだ方が良いでしょう。

 

これらは意図しないマルチタスクが原因であることがほとんどなので、まずはそれを辞めることがなによりも大事です。根本的な原因の解決はそれからでも遅くはありません。

 

少しづつでも良いので、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスの実践や瞑想に取り組んでみてください。