心が苦しくなる原因

私たちの心が苦しくなる原因はシンプルです。「今この瞬間」ではなく過去や未来のことに思いを馳せ過ぎるからです。過去のことを思い出して嫌な気持ちになったり、未来のことを想像して不安や心配になったり・・・

 

この状態が続くほど心の苦しみは大きくなり、こじらせるとうつ病などの精神疾患が発症したり、不眠症や自律神経の乱れが起きることが珍しくありません。

 

また心の苦しみはストレスホルモンの分泌を増大させます。ストレスホルモンが長期に渡って分泌されると、体内の炎症が加速し免疫システムに異常が起こり、ガンを始め様々な病気を発症させる場合もあるのです。

 

過去や未来ではなく、今目の前で起きている出来事やするべき事に意識を持っていけば心の苦しみを回避することが可能です。回避することが難しくても、「今この瞬間」に意識を持っていくことが出来れば心の苦しみは大幅に軽減します。

 

もうすでに終わった過去やまだ来ていない未来のことを考えるのは、最小限にしましょう。もちろん過去や未来のことを考えて苦しくなる人は、自分の意思でそれをやっているわけではありません。自動的に過去や未来のネガティブな思考が頭の中に浮かぶのです。そしてそれに伴って嫌な気持ちが呼び起され、さらにネガティブな思考が強くなるという悪循環に陥るのです。

 

例えば、テレビで年金問題の嫌なニュースを見たとします。たいていこの場合「将来、年金は貰えるかな?」「今払っている年金の掛け金は無駄なんじゃないのか?」というような思考(どんな思考をするのかは人によって違う)が自動的に浮かびます。

 

さらにこの思考は自分の意思とは無関係に広がります。「老後のためにお金を貯めないといけない。でも貯める余裕はない」「収入を増やさなければいけないそのために副業?でも何をどうしたらいいのかわからない」「将来、病気になったときのお金はいくら必要なのか?」「毎月掛け金をが払っているのに貰えないのは理不尽」「今の高齢者だけしっかり貰えてズルい」などと連想を始めます。もちろん自分の意思とは関係なく。

 

ネガティブ思考の連想は当然、嫌な気持ちを呼び起こしどんどん増幅させます。それがさらにネガティブ思考の連想を生じさせるのです。一度でもこういったネガティブな思考や嫌な気持ちが連想すると、パターンが脳内に強くこびりつき、年金という文字を見ただけでも将来の不安や思考が生じるのです。

 

対処法は将来のこと(この場合であれば老後)を考えないこと。この時の思考や感情を忘れてしまうことですが、それがなかなか出来ません。多くの人は具体的な対処法がわからないので、心の苦しみをさらに増やしていくわけです。

 

わからないのは当然です。具体的な対処法を学校教わったことがある人はまずいないと思います。両親から教えてもらった人もいないでしょう。親や先生は対処法をいじわるで教えてくれなかったのではなく、彼らもその対処法を知らないからです。

 

私たちは知らないこと、学んでいないことは出来ません。だから勉強して経験を積んで理解し、身に着けることが大切なのです。

 

過去や未来のことを考えることで、心が苦しくなるのであればそれを辞めること。辞める方法は「今この瞬間」に意識を向けることです。

 

「今この瞬間」に意識を向けるためには、意識のコントロールが必要なのですが意識をコントロールするためには意識がどこにあるのか?を知らなければいけません。

 

そのためにはまず自分がどこに意識を向けているのか?どんなことを考えているのか?と自分の状態を第三者的な目で見る必要があります。客観視です。メタ認知とも言います。

 

言葉で言えば簡単そうに聞こえますが、実践するのは簡単ではありません。気を抜くといつのまにか意識がフラフラと彷徨い、自動的に浮かぶ思考やそれに伴う感情や気分に心を支配されます。

 

クセになっているということもありますが、多くの人は1日の大半を自動的に浮かぶ思考や感情に流されて生きていると言われています。能動的に何かに意識を向ける時間が極端に少ないのです。それだけ安全な社会に生きているということでもあります。

 

サバイバルを求められる野生の世界ではそうはいきません。獲物がどこにいるのか?敵がどこから自分を狙っているのか?を常に意識し行動しなければ生きていくことが出来ません。そんな世界で過去や未来のことを考えて引きずられる余裕はありません。目の前で起きていることを常に把握しなければ死が待っているのです。

 

違う見方をすれば一日の大半をぼ~っとしていても、安全に生きていける環境は素晴らしいとも言えます。しかし副作用として心が苦しくなるという症状が付いて回ることになったのですが。

心の苦しみを軽減する方法

心が苦しくなるのは、過去や未来のネガティブなことを考え過ぎるから。心の苦しみを少しでも軽減するためには、過去や未来ではなく「今この瞬間」に意識を向けるようにしましょう。

 

多くの人は過去や未来に思いを馳せることがクセになっているので、そのクセをどうにかしないといけません。クセを変えるためには「今この瞬間」に意識を向けるという経験を繰り返すことです。

 

具体的には身体の感覚に意識を向けることです。呼吸でも心臓の動きでも筋肉でもかまいません。身体の感覚に意識を向けるという行為を繰り返すことで、過去や未来に彷徨う心のクセを修正することが出来ます。なぜなら身体の感覚は「今」しかないからです。身体に意識を向けようと「考える」のではなく、実際に意識を向けてください。

 

マインドフルネスの実践や瞑想を継続すると、心の苦しみから解放されることが証明(科学的にも体験的にも)されていますが、それはマインドフルネスの実践や瞑想が「今この瞬間」に意識を向ける行為そのものだからです。

 

マインドフルネスをリラクゼーションや心を落ち着かせる方法と間違った理解をしている人が少なくないのですが、マインドフルネスはそういった一時的なメソッドではありません。心のクセを修正し根本から苦しみを手放す日常の実践なのです。

 

これは頭で理解することではなく、実践経験を積み身体で理解することです。頭で理解しても身体がわかっていなければ意味はありません。頭で理解するから間違った理解になるのです。

 

私たちは過去や未来のことを考え過ぎです。それが心を苦しくさせる原因なのですが、それに気づいている人はまだ少数です。

 

過去や未来のことを考えるのが悪いのではありません。自分の意思とは無関係に浮かぶ過去や未来の思考が問題なのです。それでも内容がポジティブであれば心の苦しみは生じませんが、考えることはたいてい嫌なことでしょう。

 

将来のことや目的を達成させるために、未来のことを建設的に考えることは何の問題もありません。むしろ必要なことです。過去を振り返って反省し、そこから学ぶことも非常に重要です。今この瞬間が大事だから未来のことは一切考えない、過去は思い出さないは極端な発想です。(極端な発想はまた違う心の苦しみを生む)

 

自動的に浮かぶ思考ではなく、自ら能動的に過去や未来のことを考えるのはOK。能動的な思考なら心の苦しみは生じません。しかし能動的な思考でもそれに伴う感情や気分の変化で苦しくなる場合はあります。その時の対処法は感情に囚われないことです。

 

心の苦しみを根本的に解決するマインドフルネスにぜひ取り組んで欲しいと思います。薬やストレス発散と言われる行為(暴飲暴食や騒ぐなど)でも一時的に苦しみが軽減することがありますが、あくまで一時的です。

 

一時的な軽減が無駄とは言いませんがおススメはしません。一時的に軽減する行為を繰り返せば繰り返すほど、長期的に見れば逆に心の苦しみが大きくなり抜け出すのが難しくなるからです。一時的な軽減を否定するつもりはありませんが、両者の違いを理解し上手に自分の意識をコントロールすることが大切です。