炭水化物は太らない

炭水化物は太るというデマを多くの人が信じています。私の周りでも(女性が多い)太りたくないから炭水化物を控えているという人が何人もいます。

 

お米は太る、果物は太ると言い、その代わりに脂質やタンパク質を摂取しています。

 

当の本人たちはその結果、痩せることが出来たのでしょうか?

 

答えはノーです。体重は少しは落ちたそうですが、肝心のお腹周りの脂肪は減った感じがないそうです。これは至極、当たり前の話しです。

 

私たちの体内で炭水化物(正確には糖)は水分と結びついた形で貯蔵されます。(糖1gに対して3gの水分が結びついている)

 

その炭水化物(糖)の摂取を減らせば、単純計算で糖の3倍の水分が抜けることになります。身体の8割は水分と言われていますので、その水分が抜ければ体脂肪の量に関わらず、体重は落ちていきます。

 

炭水化物抜きダイエット(糖質制限)が人気なのは、そういった理由から短期間で体重が落ちるからです。

 

しかし落ちた体重は、水分ですからダイエット的に言えば何の意味もありません。むしろ身体にとって重要な水分が減ったわけですから身体に悪いでしょう。

 

しかも炭水化物抜きダイエット(糖質制限)は筋肉も分解し、糖尿病のリスクも高め、身体に非常に悪いのです。逆に太りやすく脂肪が落ちにくい身体になります。長期的に見てダイエットにはマイナスしかありません。→糖質制限について

 

健康的に体脂肪を落としてダイエットしたいのであれば、炭水化物はしっかりと摂取しましょう。

 

体脂肪の増減に関係しているのは、炭水化物よりも脂質の摂取量です。もちろん日中の活動量や運動量、代謝量も関係していますが、脂質の摂取は体脂肪にかなり影響があります。

 

脂質は摂取しても太らないと話しが広がっていますが、それは嘘です。(なぜかそういう本が大量にある)

 

良い脂質(オメガ3など)なら太らないのでは?と思う人がいるかもしれませんが、脂質はどの種類であっても摂取すれば体脂肪に変換されます。→オメガ3は身体に悪い

 

もちろん、脂質は私たちの身体を構成する重要な栄養素の一つですから、必要最低限の摂取が必要です。しかし度を越えて摂取すれば、炭水化物よりも圧倒的に体脂肪に変わるのです。

 

ここで炭水化物は太るという洗脳を解き、より健康で豊かに人生を送るために必要な知識を伝えていこうと思います。

炭水化物とは何か?

まず炭水化物とは何でしょうか?

 

ここからは炭水化物についての基本的な知識を簡単にお伝えしていきます。興味のない方や知ってる方は飛ばしてもらって大丈夫です。(基本的な知識はおもしろくありませんし、学ぶのは苦痛)

 

炭水化物はタンパク質、脂質と並ぶ3大栄養素とされています。

 

炭水化物は私たちの身体を動かし機能させるための主なエネルギー源です。タンパク質と脂質は、エネルギー源というよりは身体を構成するための栄養素です。(緊急時やストレス下ではこれらもエネルギー源になる)

 

炭水化物が含まれる代表的な食品は、皆さんよくご存じのお米やパン、うどんやパスタなどです。イモ類などの穀物もそこに含まれます。

 

炭水化物は「糖」と「食物繊維」に分かれます。エネルギー源として利用されるのは「糖」です。「食物繊維」は消化、吸収されませんがお腹の調子を整えたり、腸内細菌を増やしたりと有益な働きをしてくれる栄養素です。

 

「糖」にはいろいろな種類があります。「糖」の種類によって体内のエネルギー効率が変わります。また同じ炭水化物がメインの食品でも含まれる「糖」の種類は違います。

 

炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを「単糖類」、2個のものを「二糖類」、2~10個のものを「少糖類」、それ以上のものを「多糖類」と呼びます。

 

「単糖類」には、「ブドウ糖」「果糖」などがあり、「二糖類」には「ショ糖」「乳糖」「麦芽糖」などがあります。「ショ糖」とは「ブドウ糖」と「果糖」が結びついた砂糖のことです。

 

「少糖類」は「オリゴ糖」とも呼び、腸内の善玉菌を増やす効果があると言われています。

 

「多糖類」には「でんぷん」や「グリコーゲン」があります。どちらも「ブドウ糖」が多数結合したものです。

 

また「果糖」に多く含まれる「ペクチン」やこんにゃくに含まれる「グルコマンナン」などの食物繊維も「多糖類」に分類されます。

炭水化物(糖)は太らない理由

ここから本題に入っていきます。

 

炭水化物が太らない理由は物凄く簡単です。炭水化物(糖)を体脂肪に変換するのは、非常に効率が悪いからです。

 

効率が悪いというのはエネルギーのロスが生じると言う意味です。私たちの身体は可能な限りエネルギーのロスを防ぎたいのです。エネルギーのロスが増えるほど、極端に言えば餓死するリスクが高くなります。

 

私たちの身体は望む、望まないに関係なく生存を最優先にするために機能します。その代表的な機能がエネルギーのロスを防ぐことです。

 

糖は糖のまま、脂質は脂質のままに使用した方が効率が良いのです。糖が優先的にエネルギー源として使用されるのは非常に効率が良いからなのです。

 

摂取した炭水化物(糖)を体脂肪に変換することが、いかに効率が悪いのかを具体的にみていきましょう。

 

糖質1gから作られる脂質は0,28gです。100gの糖質を摂取しても28gしか脂質は作られません。カロリーベースでみても約37%のロスです。

 

しかもこれは摂取カロリーが消費カロリーを大幅に超えた場合の変換率です。

 

炭水化物(糖)を摂取するとまず身体は、糖をグリコーゲンに変えて貯蔵しようとします。貯蔵される場所は主に肝臓や筋肉です。(果糖という形で脳にも貯蔵される)

 

その量は体重1kgあたり最大で15gまで貯蔵可能と言われており筋肉の量が影響しています。(量に関しては諸説あり)

 

単純に計算すれば体重が60kgの人であれば約900g(お米1合で約116gの糖質)まで貯蔵できるというわけです。貯蔵すると同時に摂取した炭水化物(糖)はメインエネルギーとして常に消費されています。

 

つまりグリコーゲンの貯蔵量が満タンの状態で、なおかつ炭水化物(糖)を多く摂取しないと脂肪に変換されないということです。普通の人が少々、お米を食べ過ぎたところで太らないのです。

 

また果物や砂糖に含まれる果糖は、エネルギーとして使われる前に肝臓で脂肪に変わるという話しも広がっていますがそれも嘘です。(果糖悪玉説)

 

果糖はまず小腸でブドウ糖に変換され、エネルギー源や貯蔵に回ります。そこでの代謝を超えた分が肝臓で脂肪に変換されるのです。(肝臓で脂肪に変換されるためにはかなりの量の果糖が必要)

 

動物実験で果糖が太るというデータがいくつかありますが、その研究では通常ではありえない量の果糖を摂取させています。

 

私たちがフルーツや砂糖を少々摂取したところで太ることはありえないのです。(異性化糖は問題が多い)むしろフルーツや砂糖は積極的に摂取した方が良いのです。→砂糖が身体に良い理由

 

ここで一度に500gの炭水化物を摂取した後に脂質とグリコーゲンの合成を調べた研究を紹介します。(Metabolismより)

 

研究の内容をざっと解説すると10人の健康な男性被験者にパン、ジャム、フルーツジュースなど479gの炭水化物を摂取してもらった後の身体の変化を調べたものです。

 

食後10時間の間に133gの炭水化物、17gの脂肪、29gのタンパク質がエネルギーとして使われ、346gの炭水化物がグリコーゲン貯蔵量に使われました。

 

 

論文の結論は、ヒトにおけるグリコーゲン貯蔵量は一般に信じられているものよりも大きいとのこと。

脂質を減らした方が良い

ここまで読まれてきて、炭水化物は太るという洗脳は解けたましたか?

 

炭水化物は太りません。それに比べて摂取した脂質は24時間以内にほぼ全て脂肪に変換されます。脂肪はどれだけ取っても太らないと主張する人や書籍がたくさんありますが、嘘です。

 

中には遺伝的に脂質を摂取しても体脂肪に変換されにくい人もいますが、日本人の多くは脂質を摂取すると、体脂肪が増えやすい体質です。(脂質摂取量が少ない民族だったから?)
 

試しに3日間、脂質の摂取を0に近いくらい減らして、その変わりに炭水化物の摂取を増やしてみてください。お腹周りの脂肪が明らかに減ることが実感できるはずです。

 

太っている人、痩せない人の食生活をよく見ると、炭水化物だけでなく脂質の摂取量も非常に多いのです。ファーストフードの栄養成分をみてください。糖質と脂質の塊です。

 

それにプラス運動不足の場合が多く、そりゃ太るでしょって事です。(運動不足は代謝の低下を招く)

 

先ほど言ったように炭水化物も貯蔵量を超えて食べまくれば、太ります。炭水化物でもタンパク質でも何でも、度を越えて摂取すれば太るのは当たり前です。

 

定期的に運動を行い、常識的な食事量であればまず太らないということです。ダイエットを成功させたい人は、炭水化物の摂取量ではなく、食事全体と運動習慣を見直した方が良いということです。

 

最後になりますが、勘違いして欲しくないことが一つあります。炭水化物は太らないと言っても、炭水化物を摂取すると体重は増えるということです。

 

グリコーゲン貯蔵量が増えれば体重が増えるのは当たり前です。(水分もそれに伴って増える)しかしそれは体脂肪の量とは関係ありません。

 

体重が増えようが、体脂肪が減りお腹周りがスッキリすれば、良いと思いませんか?多くの人は体重よりも体脂肪を減らしたいと望んでいるはずです。

 

炭水化物抜きダイエット(糖質制限)は体重は減りますが、それは体脂肪ではなく水分と筋肉が減っているだけです。いわば病的な痩せ方です。詳しくは→糖質制限について

 

 

体重と体脂肪は違うということをしっかりと理解して、健康の増進、維持に励んでください。