筋トレの効果①では筋トレのメリットとデメリットについてお伝えしました。
筋トレには「若返り」「見た目を整えてくれる」「ストレス解消」「メンタルヘルス」「運動不足解消」「ダイエット」など多くのメリットがあります。
それだけではなく生活習慣病を予防したり、改善する効果もあるのです。代表的なのは2型糖尿病です。
*1型糖尿病
主に自己免疫や遺伝子が原因で発症する。子供の発症が多い。肥満や食生活は関係ないと言われている。
*2型糖尿病
主に過食や運動不足で発症する。40歳以上の肥満者で発症する人が多い。
*3型糖尿病
アルツハイマー型認知症。脳の神経細胞が糖化反応によって変性する。
糖尿病は、細胞が糖を取り込めなくなる代謝異常の病気です。糖が細胞に取り込まれなくなると糖は余ります。余った糖は血液中に溢れます。この状態が高血糖です。
血液中がが糖で溢れると、酸素や栄養素を全身に上手く運べなくなります。特に末端の毛細血管が酸素や栄養不足になります。
糖尿病の症状が進むと足の壊死や失明が起きるのはこれが原因です。また血管が糖で溢れる状態が続くと腎臓もダメージを受け機能しなくなります。
腎臓は生命を維持する上で非常に重要な臓器です。腎臓が機能しなくなると老廃物を排泄できなくなり、数日で死ぬと言われています。
助かるためには人工透析か腎移植しか道はありません。
糖尿病を患っている方が新型コロナウイルスに感染すると、重症化や死亡リスクが高いことがわかっています。その理由はサイトカインストームが起こりやすい身体だからです。
*サイトカインストームとは?
サイトカインは免疫細胞の数や機能を調節し、ウイルスなどから私たちの身体を守ってくれるタンパク質の一種。しかしこれが過剰に産生されると免疫系の暴走、すなわち嵐(ストーム)が起こり、正常な細胞まで攻撃されてしまう。
また糖尿病の方は感染症だけでなく、ガンなど様々な病気を発症しやすいことがわかっています。糖尿病は万病の元なのです。
しかし幸いなことに、糖尿病は食生活を整えたり、運動習慣を身に付けることで予防や改善が可能です。特に効果が高いのが筋トレです。
摂取した糖の大半は筋肉で消費されます。つまり筋肉量が多いほど消費される糖も多くなるということです。筋肉量を増やすために最適な運動は筋トレです。
実は糖尿病の原因は糖の摂取ではありません。運動不足と過剰な脂肪の摂取が原因です。
50年前と現在を比べると日本人の総摂取カロリーはほとんど変わらないのですが、糖の摂取量は減っているのです。
それにも関わらず糖尿病の患者は何十倍にも増えました。
この50年で大きく変わったのは生活習慣と食習慣です。世の中が便利になることでの運動不足(筋肉量低下)と食習慣の欧米化(高脂肪食)が糖尿病の患者を増やした一番の原因です。
運動不足による筋肉量の低下は特に深刻です。糖の大半を消費する筋肉の量が減少すると、糖は余りやすくなります。
その結果、余った糖が血液中に溢れて血糖値が上昇→インスリン分泌量が増える→膵臓が疲弊→インスリン分泌量の減少→血糖値が下がらない(血管中に糖が溢れる)→糖尿病発症。という経過を辿ることになるのです。
筋肉量の多い人や定期的に運動している人は、糖を摂取しても筋肉が優先的に糖を取り込みますから、血糖値は上昇しません。
血糖値を上昇させないために、糖の摂取を控える人がいますがそれは間違いです。血糖値は結果であり原因ではありません。
糖を控えるのではなく筋トレをして筋肉量を増やし、糖をバンバン消費できる身体にしましょう。それが真の健康的な身体です。
しかも糖を消費できる身体はダイエットに有利です。
筋トレのメリットはまだまだあります。その一つが若返りです。筋トレをすると成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは若返りホルモンです。
成長ホルモンは、お肌や細胞を若く保つ役割があります。強度にもよるのですが、筋トレをすることで成長ホルモンが筋トレをしない人に比べて何十倍も分泌されることもあります。
分泌される若返りホルモンは、成長ホルモンだけではありません。「マイオカイン」という若返りホルモンも分泌されます。
「マイオカイン」についてはまだわかっていないことも多いのですが、若返り効果だけではなくガンの発症を抑制するという研究データもあります。
筋トレに取り組むと病気の予防や改善だけでなく、若返りやダイエットなど良いことがたくさん起こります。もうやるしかありません。
但し、何事もやり過ぎは禁物です。筋トレ(運動も)をやり過ぎると体内の活性酸素の量が増えます。
少々の活性酸素は身体に良いのですが、増えすぎると細胞の炎症を招き不調や病気、老化の原因にもなります。
また筋トレ(運動も)のやり過ぎや間違った取り組みは「腰痛」「肩こり」「膝の痛み」「オーバートレーニング症候群」を発症させることもありますので注意が必要です。
*オーバートレーニング症候群とは?
スポーツなどによって生じた生理的な疲労が十分に回復しないまま、積み重なって引き起こされる慢性疲労状態。
筋トレは自己流ではなく、必ず専門家から正しいやり方を学んで実践しましょう。