脳の疲労を癒す方法

突然ですが、あなたは今こんな症状に悩まされていませんか?

 

・寝ても疲れが取れない
・何をやるにしてもしんどい
・やる気が出ない
・集中力が切れやすくなった
・最近、記憶力が落ちている
・将来のことを考えると憂鬱になる
・過去の出来事が頭から離れない
・理由はわからないけどイライラする
・以前より怒りっぽくなった

一つでも当てはまったあなたに必要なのは脳の休息かもしれません。これらは脳の疲労が蓄積した結果、起きる症状と言われています。

ぼ~っとしても脳は休まらない

何も考えずにぼ~っとすれば脳は休まるのでは?と考える人もいるかもしれません。しかし残念ながらそれでは脳は休まらずどんどん無駄なエネルギーを消費していきます。(どれだけぼ~っとしているときでも頭の中では様々な雑念が浮かんでは消えを繰り返している)

脳は体重の2%しかありませんが身体全体が消費する全エネルギーの20%を使います。そしてこの脳の消費エネルギーの大半はデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路に使われています。

 

DMNとは脳が意識的に活動していないときに働く脳回路です自動車のアイドリングをイメージして
もらうとわかりやすいかもしれません。このDMNが脳の消費エネルギーの80%を占めていると言われているのです。

1日中、じっとして何もしていないのに疲れがまったく抜けなかったり逆にしんどくなったという経験をした人は少なくないと思います。その理由はDMNが過剰に活動していたからでしょう。

 

なぜDMNが活動すると脳が疲労するのか?

 

DMNの活動中はネガティブな思考や感情が浮かびやすいことがわかっています。私たちの心は何か特定の対象に意識がない場合、意思とは無関係に様々なことを考えたり思い出したりするのですが、その多くはネガティブな過去や未来(不安や後悔、心配など)の事柄です。

 

不安や心配事などが浮かんでも手放すことが出来ればいいのですが、DMNの起動中は手放すどころかネガティブ思考がどんどん広がり大きくなっていく傾向にあります。ネガティブ思考が広がり大きくなれば、それに結び付いたネガティブな感情も沸き起こります。

 

ご存じだと思いますが、ネガティブな思考や感情はかなりのエネルギー(脳の)を使います。不安や後悔などに襲われた後は何もやる気が起こらず身体も重たくなるでしょう。それが脳の疲労状態です。身体のエネルギーは残っていても、脳が疲労困憊になると身体は動きません。

 

DMNの活動中に嬉しい、楽しいなどのポジティブな思考や感情が生じていれば脳は疲労しません。ポジティブな思考や感情は脳を疲れさせるどころか逆にエネルギーを注入してくれます。

 

しかし多くの人はDMNが活動すると自動的にネガティブな思考が生じて、脳エネルギーの消費が大きくなります。DMNの活動が長いほど脳の疲労は蓄積します。ですからDMNの活動を最小限にすることがとても重要なのです。

 

最初に言ったように、「やる気が出ない」「集中力が持たない」「寝ても疲れが取れない」「記憶力が落ちている」「イライラしやすい」といった状態は脳の疲労が蓄積(疲労が強い)しているのが原因。こんな状態では自分の持てるパフォーマンスを最大限発揮することは不可能です。

 

仕事でミスを繰り返す人や勉強しても頭に入らない人、感情をコントロール出来ない人や物忘れが多い人は能力の問題ではなく、脳疲労が蓄積してることが原因の可能性もあります。

 

最近ではDMNの活動とうつ病の発症や再発が大きく関係しているのでは?と言われており、どのようにDMNの活動を最小限にするか?が研究されています。

マインドフルネスの実践は脳を癒す

脳の疲労をとって脳を癒すために必要なことはデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の働きを最小限にすることです。そのために目の前の出来事に対して能動的に意識を持っていくことが効果的です。

 

マインドフルネスの実践や瞑想が脳の疲労に有効なのは、マインドフルネスが目の前のことに意識を向ける実践だからです。しかもマインドフルネスの実践や瞑想を続けると、疲労しにくい脳に変わる(構造的にも)ことがわかっています。

 

何をしても「やる気が出ない」「集中力が持たない」「寝ても疲れが取れない」の状態が続く人は、マインドフルネスの実践や瞑想に取り組んだ方が良いかもしれません。

 

マインドフルネスの実践や瞑想の他に脳の疲労を取る有効な方法は運動です。運動してエネルギーを使ったのにも関わらず、頭がスッキリしたり回転が速くなったという経験をしたことがあるでしょう。運動をすることで(運動に集中するから)DMNの活動が抑えられたためと考えられています。やる気が出ないときとかしんどい時は逆に身体を動かした方が良いのです。

 

ここまでDMNのデメリットばかりを話してきましたが、実はDMNには大きなメリットもあります。それは「ひらめき」です。ひらめきはDMNの活動中にしか起こりません。

 

DMNは拡散思考(マルチタスク)を促すので、目の前の事と関係のない過去や未来のネガティブな思考が浮かびやすいのですが、拡散思考はバラバラな情報を一つにつなげる役割もあるのです。

 

たくさんの情報に意識が拡散することで、バラバラであるはずの情報の共通点が見えることがあります。共通点が見えることでAとBがつながりCが生まれるといったことです。私たちはこれをひらめきと呼びます。

 

お風呂に入ってぼ~っとしてるとき、自然を眺めているときなどに「そうか。あれはこういう意味だったんだな」とひらめいた経験があるのではないでしょうか?それがまさしくDMNの活動中に起きている拡散思考の結果です。過去の偉人たちの大発見も同じような状態で起きています。

 

但しひらめきは誰にでも起こるものではありません。普段から何かしらの問いを持っている人。長期間、一つの問いを考え続けている人にしか起こりません。

 

普段からぼ~っとして生きている人や深く物事を考えない人がDMNを活動させてもひらめきが起こらないどころか、脳が疲労するだけでしょう。

 

答えの出ない問いに遭遇した時や長い時間勉強した後、意図的にぼ~っとすることで問いの答えが浮かんできたり勉強した内容がつながって理解が深まるといったことが実際に起こります。お風呂に浸かったり、自然を眺めたり、音楽をぼ~っと聴いてみたりしてみてください。理屈はわからなくても無意識に行っている人も多いと思います。