認知症予防について

ご存知だと思いますが日本は高齢人口の増加に伴い医療や福祉などで様々な問題が噴出してきています。その中で多くの方が関心を寄せる一つに「認知症」があります。2025年には日本の認知症患者は700万人を超えると言われており、これは日本人口の14%にもなる数字です。

 

その認知症を発症させる代表的な要因がアルツハイマー病と言われています。アルツハイマー病は簡単に説明すると、脳の神経細胞が通常のペースよりも早く減少することで認知機能が低下していく病気です。アルツハイマー型認知症と呼ぶこともあります。

 

認知症を引き起こす病気として、脳神経細胞の機能が低下することによる「神経変性疾患」、脳血管の病気(脳梗塞など)による「脳血管性認知症」などがあります。アルツハイマー病は「神経変性疾患」に分類されます。

 

アルツハイマー型認知症は認知症の中でもっとも多く、人口10万人あたり20人程度いると言われています。今後は高齢化がますます進むのでこの割合はさらに増えていくでしょう。65歳以上で発症する人がほとんどですが、若い人でも認知症になる場合もあります。近年は若年性アルツハイマー(64歳以下)の割合も増えているそうです。原因は不明(生活習慣や精神的ストレスが原因説が濃厚)とされています。

 

アルツハイマー型認知症では、脳の神経細胞の減少に伴い忘れ物が増えたり、時間や場所が分からないといった症状が現れます。暴言や不安、気分が落ち込むなどの症状も見られ寝たきりになる場合もあります。症状の進行は緩やかで、発症した人の半数が2年~10年で寝たきりとなり、発症してから死亡に至るまでの平均期間は8年~10年と言われています。

 

アルツハイマー病を発症させる原因は完全にはわかっていませんが、アミロイドβという老廃物が脳内に溜まることでアルツハイマー病が発症するというのが有力な説とされています。アミロイドβは認知症の症状が現れる20年以上前から少しづつ脳内に蓄積されます。

 

アミロイドβの蓄積は生活習慣と大きく関係しており、認知症を予防するのであれば若い時から(遅くとも40代)生活習慣を整える必要があります。

認知症予防①「睡眠」

アミロイドβの蓄積を少しでも少なくするために必要なことは睡眠です。アミロイドβは睡眠中に洗い流されることがわかっています。誰でもアミロイドβは脳内に毎日発生しますが、きちんと睡眠を取っていれば発生したアミロイドβは洗い流され、認知症の発症を予防することが可能になるのです。

 

先ほど言ったように認知症を発症する20年以上前からアミロイドβの蓄積が始まるので、若い時から睡眠の問題をどうにかして解決しておかなければいけません

 

睡眠の問題は認知症の発症リスクだけでなく、様々な疾患のリスクを上昇させます。また睡眠の問題を抱えるとIQの低下や身体機能の低下が起こります。仕事や勉強などでもパフォーマンスが上がらないので、睡眠の問題はやはり解決しておいた方が良いでしょう。

 

睡眠の問題を引き起こす大きな原因は精神的ストレスです。精神的ストレスを強く受け続けると、心と身体は緊張しネガティブ思考や感情に囚われやすくなります。ネガティブ思考や感情に囚われると睡眠の問題が発生します。

 

この状態を改善するには、身体の緊張を緩めたり、マインドフルネスの実践や瞑想に取り組むことが有効です。詳しくは→不眠症を改善する方法

 

睡眠の薬を服用している人も少なくありませんが、薬は最終手段です。出来るだけ薬は飲まない方が良いでしょう。薬に頼る前にここで紹介している方法を試してみてください。最初は上手くいかないかもしれませんが、根気よく取り組むと睡眠の問題は必ず克服することが出来ます。 

認知症予防②「食生活」

アミロイドβの蓄積には食生活も大きく関係しています。結論から言えば慢性的な高脂肪食がアミロイドβの蓄積を促すことがわかっています。

 

その理由はインスリン抵抗性にあります。インスリン抵抗性に陥ると、血糖値を低下させるインスリンが効かなくなります。インスリンが効かなくなると糖が細胞に取り込めなくなり、最終的に2型糖尿病を始め様々な疾患を発症させます。詳しくは→糖代謝について

 

近年では2型糖尿病を発症している方はアルツハイマー型認知症を発症しやすいこともわかっています。インスリン抵抗性の原因は、慢性的な高脂肪食と運動不足です。となれば対処法は簡単。高脂肪食を控えて定期的に運動(特に筋トレがおススメ)をすることです。実際に高脂肪食を辞めることで、アミロイドβの蓄積が減少することが確認されています。

 

食生活や運動習慣は、知識とやる気があれば容易に改善することが可能です。食生活と運動習慣の改善は、認知症に限らずあらゆる病気の発症リスクを低下させるので必ず取り組みたいですね。

認知症予防③「ストレスケア」

認知症の発症には精神的ストレスも大きく関係しています。先ほどアミロイドβの蓄積の原因は睡眠の問題とインスリン抵抗性(食生活)にあると紹介しましたが、実は慢性的な精神的ストレスもインスリン抵抗性を引き起こし、睡眠の問題も生じさせるのです。

 

食生活や運動習慣の改善、睡眠の問題に対処するだけでなく、ストレスケアも実践することが認知症予防には必須となります。これは何度も言っているように認知症予防だけなく、あらゆる病気の予防につながりますまた人生のパフォーマンスを高く維持するためにも絶対に必要な取り組みです。

 

ストレスケアに効果抜群なのが、マインドフルネスの実践や瞑想です。マインドフルネスの実践や瞑想は一時的なストレス発散ではありません。ストレスの根本原因にアプローチする取り組みです。脳を物理的に造り変え、メンタルを圧倒的に強化しストレス耐性もアップさせます。

 

マインドフルネスの実践や瞑想がインスリン抵抗性の改善や認知症予防に効果的との研究結果もあり、食生活や運動習慣の改善と並んで絶対に取り組むべきです。

 

「呼吸瞑想」のやり方

「ボディスキャン」のやり方

「歩く瞑想」のやり方

 

認知症は予防することが出来る時代になっています。歳を重ねるほどに誰でも認知症の発症リスクは、上昇するのですが、ここで紹介したことに取り組めばそのリスクを圧倒的に低下させることが可能です。

 

認知症の原因であるアミロイドβは、認知症を発症する数十年前からの蓄積なので生活習慣の改善に今すぐ取り組んで欲しいと思います。現代の若い人は、今の高齢の方に比べて圧倒的に食事の内容が悪いです。具体的に言えば脂質の摂取が多すぎます。

 

高脂肪食はインスリン抵抗性を引き起こし、認知症だけでなく糖尿病や様々な病気を招きます。糖尿病の患者は予備軍も含めて、年々増加しています。今の若い人が高齢になった時は今高齢の人よりも、認知症を発症する割合は増えているはずです。

 

高脂肪食を辞めて、定期的に運動をしストレスケアも今から始めましょう。若いから大丈夫という考えではダメです。何歳から取り組んでもアミロイドβの蓄積量は減少することはわかっているので、もちろん高齢の方でも遅くはありません。