「心配事(不安)の97%は起こらない」という研究があります。
研究チームは不安症に悩む男女を集めて全員に、日々の心配の内容とその心配事が実際に起きたかどうかを2週間に渡って記録してもらいました。
その結果、次のような傾向が見られました。
・不安症の人が抱いた心配事の85%は実際に起きなかった
・不安が現実になった場合でも、その79%は予想より良い結果が出た
・心配事が予想より悪いケースは全体の3%だった
つまり心配事(不安)の97%は妄想だったというわけです。
調べてみるとこのような研究は世界中で行われており、どの研究も心配事(不安)は滅多に起こらないという結果が出ています。
研究結果を見るまでもなく自分の人生を振り返ったり、周りの人をよく観察することでこの事実が感覚的に理解することが出来るはずです。
まだ来ていない未来を自分勝手に想像し、解釈を加えて頭の中で広げていくこと。
これを不安と呼びます。不安は妄想です。
不安を辞める方法は妄想を辞めることです。妄想を辞めればあなたの不安や心配事はキレイさっぱり消失します。
といきなり無責任に言われても困るのではないでしょうか?
「そんな簡単に辞めることが出来れば苦労はしない」というのが多くの人の気持ちでしょう。
なぜ妄想を辞めることが出来ないのでしょうか?
それは辞める方法を知らないからです。
あなたは不安という妄想の辞め方を誰かに教えてもらったことはありますか?学校で学びましたか?答えはノーでしょう。
不安を辞める方法は難しいことではありません。
不安にならない脳を造ればいいのです。不安にならない脳になれば、簡単に不安を辞めることが出来ます。
脳には扁桃体という私たちに危険を知らせてくれる「警報装置」があります。
扁桃体は私たちを生存させるために不安や恐怖を増幅させて危険を避けたり、対処するように促したりしてくれる重要な部位です。
扁桃体が何らかの原因で損傷した人、外科的手術で取ってしまった人は車が走る車道を横断しようとしたり、毒蛇に警戒せずに近づいたりと危険行為を行います。
これでは命がいくらあっても足りません。
扁桃体は生存のために必要不可欠なシステムなのです。
しかし扁桃体が必要以上に活動すると、不安や恐怖が必要以上に大きく膨らみます。
不安を感じやすい人やイライラしやすい人は扁桃体が過剰に働いている傾向にあるのです。
実際に不安障害やうつ病、PTSDなどを発症している人達の脳をスキャンすると、扁桃体が肥大していたり過剰に活動していることが確認されています。
つまり不安という妄想を辞めることが出来ない人は、扁桃体が肥大し過剰に活動している働いている可能性が高いのです。
これは性格ではなく脳の問題です。
不安という妄想を辞める方法は、必要以上に活動している扁桃体の働きを低下させることです。
それを可能にするのがマインドフルネスです。
マインドフルネスの実践や瞑想に取り組むことで、扁桃体の働きが正常化して不安や恐怖が小さくなることがわかっています!!
不安を辞めるためには、マインドフルネスが最も有効なのです。
不安を辞める方法は他にもありますが、その大半は一時的な効果しかありません。
不安を辞めるにはそれを生み出す脳を造り変えるのがベストです。
マインドフルネスは脳を物理的にも機能的にも作り変えてくれます。まさに脳の筋トレです!!
おススメはマインドフルネスの個人レッスンです。セミナーや講座で取り組む方法もあります。
マインドフルネスの瞑想や実践は、不安にならない脳を造ってくれます。
しかし不安にならない脳になるには早くても1か月はかかります。
「そんなに待てない」「今すぐこの不安をどうにかしたい」という人もいるでしょう。
そんな人のためにその場ですぐにできる不安の対処法をお伝えします。
マインドフルネスのエッセンスも含まれているので、これ自体が脳の筋トレにもなります。
最初は難しいかもしれませんが、繰り返し練習することで出来るようになるはずです。
根気よく取り組んでみてください。
1)まず身体の変化に気づく
不安を感じると必ず身体に反応が表れます。
呼吸が荒くなったり、身体が緊張したり、肩や腰、お腹が痛くなったり・・・
そういった身体の反応を客観的に観察します。
2)呼吸に意識を向ける
身体の反応を観察したら次に呼吸に意識を向けます。
ゆっくりと呼吸を繰り返し意識を不安から切り離していくのです。
3)呼吸を意識しながら身体全体が緩むようなイメージ
最後は呼吸を意識しながら緊張している身体が緩むようなイメージをしましょう。
これで不安はかなり小さくなっています。
完全に消えている場合もあります。
不安が浮かんできたときにその場で1~3を繰り返してください。不安をコントロールすることができます。