最近、世界では老いに関する研究が加速していることをご存知でしょうか?
GoogleやFacebookという大企業は寿命を延ばすことを目的とした研究を立ち上げ、アメリカの富裕層達は長寿を研究するベンチャーに多額の寄付や投資をしています。
日本でもアンチエイジング市場は1兆円にもなるそうで、多くの人が老化や加齢の予防や改善に関心があることがわかります。
アンチエイジングの関心が高いのは女性だけではありません。男性も年々アンチエイジングへの関心が高まっているのです。
その理由は見た目が若く見える方が信頼感や説得力が高くなるからです。
*アンチエイジングとは?→日本語で「抗加齢」「抗老化」という意味。
見た目だけでなく身体の中身(細胞)も若いと病気のリスクが低下します。
見た目と健康のためにアンチエイジングへの興味や関心が非常に高くなっているのです。
アンチエイジングで無視できないの長寿遺伝子テロメアの存在です。
私たちの染色体は二重らせん構造をした遺伝子がより合わさって出来ています。その染色体がほどけないように末端を留めているのがテロメアです。
諸説ありますがテロメアの長さと老化は関係していると言われています。
同じ年齢でも若く見える人もいれば、老けて見える人もいます。その違いはテロメアの長さで決まるそうです。
生まれたばかりの赤ちゃんのテロメアを100とすると一般的には35歳では75、65歳では48にまで短くなります。
つまりいつまでも若くいたいのであれば、テロメアの長さを維持することが必要ということです。
テロメアの長さを維持する方法はいくつかわかっています。
よく知られているのは摂取するカロリーを制限する方法です。
サルを用いた実験では通常のカロリーを摂取させた群とカロリーを70%に減らした群では、カロリーを減らした群の方が見た目も若くテロメアの長さも維持できたそうです。
サルだけでなく多くの動物でも同様の結果が得られていることから、人間も食べる量を減らせばアンチエイジングにつながると言われています。
食べる量を減らすとなぜテロメアの長さを維持できるのか?
食べる量を減らすことで、老化や寿命に大きく関係しているサーチュイン遺伝子が活性化するからという説が有力です。
食べる量を減らしたからではなく「食べる量を減らすとそれに比例して体内に入ってくる毒物が減る」ことがテロメアの長さを維持できた理由と主張する研究者もいます。
体内に入る毒物が少なくなると体内の炎症レベルが下がります。
炎症レベルが下がると、テロメアが短くなる速度が遅くなるのです。
つまりただ食べる量を減らすのではなく、毒物(添加物や農薬など)を極力摂取しない食事がアンチエイジングに効果的ということになります。
他にも十分な睡眠や運動(特に筋トレ)がテロメアの長さを維持するのに有効ということがわかっています。
運動(筋トレ)がアンチエイジングに有効なのは、運動が糖代謝を維持するからでしょう。
糖代謝は私たちにとって非常に重要な機能です。
免疫システムは糖代謝機能に依存します。免疫システムの働きが弱くなると、異物(ウイルスや菌など)の除去や排泄能力が低下します。
その結果、体内の炎症度が上昇し、病気の発症リスクが高くなるだけでなく老化も加速するのです。
テロメアの長さを維持するのに非常に有効と最近言われ始めているのが、マインドフルネスの実践や瞑想です。
マインドフルネスの実践が老化の速度を遅らせるという研究結果が次々と出ています。
研究結果を見るまでもなく、マインドフルネスの実践や瞑想を長年続けている人を見るだけでそれがわかります。
例えば禅僧。
禅(瞑想)に取り組んでいる僧侶は高齢でも同年代より若く見えますし、身体機能も脳機能も若いのです。
私自身もここ数年、友人や知人から「若くなった?」と言われることも多くなりました。
昔の写真を見せると今の方が若いと言われるほどです。
私自身はアンチエイジングにそれほど興味はないのですが、長年マインドフルネスの実践や瞑想を続けていることがそういう結果になっているのでしょう。
マインドフルネスの実践や瞑想がアンチエイジングに効果があるもう一つの理由は、精神的ストレスの軽減が考えられます。
精神的ストレスは物理的ストレスと同じかそれ以上に、私たちの体内の炎症度を上昇させます。
体内の炎症度が上昇するほどテロメアの長さは短くなるので、精神的ストレスをコントロールすることはアンチエイジングにとって非常に重要です。
今後は食事や運動だけでなく、精神的ストレスを軽減するような取り組み(マインドフルネスなど)がアンチエイジングの中心になってくるのでは?と予想されます。
今ならそこに目をつけている人はまだまだ少ないので、マインドフルネスを用いたアンチエイジングはビジネスチャンスになるかもしれません。