健康的な食事とは何でしょうか?
世の中には健康になると言われるたくさんの食事法があります。どの食事法を選択すれば良いのか?どの食事法が自分に合っているのか?
情報が多すぎて頭の中が大変なことになります。振り回されている人も多いでしょう。専門家と呼ばれる人達も言うことがバラバラです。
健康的な食事法を選択する前に、まず大切なことがあります。
それは「健康とは何か?」と考えることです。
あなたにとって「健康とは何を意味しますか?」「どうして健康を維持したいのですか?」「何のために健康になるのですか?」といった問いを立ち止まって考えてみてください。
ネットや本で答えを調べようとせずに、自分の頭の中で考えて自分で答えを出してみてください。
自分の頭で考えて自分で答えを出せば、「これが健康的な食事」「〇〇に効く食品」「これを食べれば痩せられる」といった言葉に振り回されなくなるでしょう。
何を調べればいいのか?誰から教わればいいのか?の答えも自然に見えてくるはずです。
これは健康や食事法だけに限りません。情報に振り回される人は自分の答えがないのです。
「健康とは?」「なぜ健康になりたいのか?」としっかりと考えて欲しいと思います。
ここで本題に戻ります。
健康的な食事とはどんな内容でしょうか?
結論から言ってしまうと、健康に良いと断言できる食事法はありません。
この食事を続けると、高い確率で心身の病気や不調を招くといったものはいくつかあります。例えば、揚げ物や添加物を大量に使用した加工食品の常食です。
対して「毎日これを食べ続ければ健康を維持できる」と言い切れる食品はありません。
なぜなら「何を食べればいいのか?」は個人差が大きいからです。
生まれ育った地域や環境、人種や遺伝子、持っている腸内細菌、活動量やストレス度など様々な要因で私たちの身体は構成されています。
その個体差によって健康を維持するために必要な栄養素は大きく違ってくるのです。
健康の維持・増進を考えるのであれば、どうにかして自分に合う食事を見つけなければいけません。
まず自分に合う食事を見つけるためには、生まれ育った地域や環境を考えることが良いと思います。
地域や環境によって取れる作物、食習慣が違うからです。
同じ地域や環境で何千年も何百年も暮らしいている人種や民族は、そこで取れる作物に身体が適応している可能性が高いのです。
そう考えるとシンプルな結論に行き着きます。
日本人であれば、昔から日本人が食べてきたものを中心に食事内容を考えればいいのです。
多くの日本人が昔から食べてきたものは、穀物や大豆の発酵食品(味噌や納豆)、魚介類や海藻です。
「お米も食べてきたのでは?」と疑問に思う人がいるかもしれませんが、実は日本人のお米の消費が増えてきたのは最近(ここ数百年ほど)という証拠がチラホラ出てきています。
少なくとも白米を日常的に食べるようになったのは江戸時代以降でしょう。日本人が昔からお米を食べていたとしても、それは玄米だったはずです。
そう考えると白米は、日本人の身体に合わない可能性があります。実際に白米は身体に悪いと主張する専門家も存在します。
国のデータを見ると日本人の白米消費量は、1970年以前に比べて半分近くに減っています。現代人は昔の人ほどお米を食べなくなったのです。
その結果、健康になったとかいう話は聞きません。逆にガンや糖尿病などの病気や体調不良、アレルギーの人が増えています。
お米を食べなくなったから病気が増えたと単純な理由ではないはずですが、あらゆる状況証拠を見ても日本人に合わないということはなさそうです。
私たちの身体は、その体質に合わない食事を続けていると病気や不調になることがわかっています。
例えば、脂質が多い食事です。
欧米の人達は昔から日本人に比べて脂質を多く摂取してきました。
そのため日本人より脂質の代謝能力が高いため、脂質を過剰に摂取しても病気を発症しにくいと言われています。(諸説あり)
日本人は欧米の人達に比べて脂質の代謝能力が低いので、彼らと同じような脂質の摂取量だと病気の発症リスクが高くなるというわけです。
たしかに脂質も身体を構成するために必要な栄養素ですが、取り過ぎはアウトです。
今の日本人は炒めたり、揚げたりといった食事が多い傾向です。またケーキやチョコレートなどの脂質を多く含んだスイーツも食べ過ぎな印象があります。
よく聞かれる質問に「肉は健康に良いですか?」というのがあります。「肉は高頻度で食べない方が良いかも」と答えています。
WHOが認めているように肉は発がんのリスクがあります。他国のデータを見ても肉の消費量が多いほどガンも増えるという相関関係があります。
しかし肉には穀物や野菜にはない栄養素が含まれています。含まれている栄養素の量も多いのです。
まったく食べないはたまに食べる方が身体に良いでしょう。歴史的事実を見ても人間はベジタリアンではなく雑食です。
肉を高頻度で食べない方が良いと考えるもう一つの理由が、肉に含まれる化学物質の存在です。
現代の食用である牛や豚には大量の抗生物質や成長ホルモンが投与されており、その多くは排泄されずに食肉に残留していると言われています。
特にそのリスクが高いのがアメリカやオーストラリアから輸入された肉です。
アメリカの牛肉からは日本の牛肉の600倍の成長ホルモンが検出されています。
凄い量だと思いませんか?
輸入された肉は極力食べない方が良いかもしれません。しかし残念ながら外食や加工食品で使用されている牛肉や豚肉の大半が輸入されたものです。
飲食店や食品加工会社が輸入の肉を使う理由は、コスト削減です。国産に比べてはるかに安いのです。
自炊する習慣のない人は一度、スーパーに行ってアメリカ産と国産の肉の価格を見比べてください。値段が全然違うことにビックリすると思います。
手ごろな値段の焼肉やステーキのお店が増えているのは、アメリカ牛肉の輸入量が増えたからです。安く焼肉を食べることは喜ばしいことですが、それと引き換えに健康のリスクを背負うわけです。
もちろん国産の肉であっても薬や成長ホルモンが使用されている場合はありますが、データを見る限りでは輸入された肉に比べてはるかに少ないです。
また牛や豚が食べているエサに関しても問題があります。
輸入でも国産でも牛や豚が食べているエサの大半が安全性のよくわからない遺伝子組み換えの穀物です。
本当に安全で質の良い肉を食べたいのであれば、高いお金を出して信頼できる業者から買うしかないでしょう。
安全で質の良い肉は育てるのに、コストが膨大にかかるのでどうしても価格が高くなるのです。
健康的な食事を選択するためには自分の身体と対話することも必要です。それと同時にある程度の知識も。
「何にどれくらいの栄養素が含まれているのか?」「その栄養素が体内でどんな働きをするのか?」「この食品がどのような工程で作られているのか?」といった知識です。
知識があればより良いものを選ぶことが出来ますし、売る側の嘘を見抜ける確率も高くなります。
「安いものには理由がある」という格言がありますが、知識がなければその理由はわかりません。
ただ現代は情報や知識が溢れすぎているため、まずどれが正しい知識なのか?見極めるの困難です。
そんな時は、頭で考えずに自分の身体の感覚を信じて食べ物を選んでください。感覚は頭や知識よりも正しい場合が多いのです。
しっかりと身体のメッセージをキャッチしてあげてください。
当たり前ですが健康は食事だけで決まりません。
運動習慣や人間関係、精神的ストレスへの対処能力、人生をどう捉えているか?など様々なことが複雑に絡んで私たちの心と身体を構成しています。
食事を整えるだけで身体の問題を全て解決できるわけではありませんが、食べるものが身体を構成している以上、食事が大きな要因を占めることは否定できません。
だからといって健康的な食事に拘り過ぎると囚われが強くなり、精神的に苦しむことにもなります。⇒オルトレキシア
自分の身体と対話し、自分の身体を見つめて、感覚を信じ、自分に合った食事内容を見つけてください。
それと同時に知識もつけください。自分だけでなく、自分の周りの人の健康を維持するためにも。