書籍やネットの情報を元にした独学でのマインドフルネスの実践はおススメしません。可能であれば経験豊富な指導者の元で、段階を経て取り組むことを強くお勧めします。
なぜなら間違ったマインドフルネスを実践した結果、取返しのつかない心と身体の不調を招く危険性があるからです!!
これはマインドフルネスだけでなく、その他の瞑想全般に言えることです。絶対に中途半端な理解で行ってはいけません。2015年頃からマインドフルネスは、大手メディアなどでも紹介され始め興味を持つ人が増えてきました。
それに伴いお金儲け優先の講座やセミナーが乱立しました。瞑想セミナーや教室を入口に新規の信者を勧誘する新興宗教やマルチビジネスも増えています。
ネットやYouTubeでもよくわからない瞑想や、明らかに間違ったマインドフルネスの方法を紹介しているサイトを数多く確認しています。
それら間違ったマインドフルネスや断片的な情報を元に独学で実践する人が増えたことで、心身の不調で苦しむ人からの報告や相談を多く受けています!!
間違ったマインドフルネスや瞑想に取り組んで「効果がなかった」「お金が無駄になった」という方はまだ幸運です。効果がなかったとしてもそれは「現状維持」ですから害はありません。お金は一時的に失っても後から稼いで埋め合わせすること可能です。
しかし間違ったマインドフルネスの実践や瞑想によって生じた、心と身体の不調は、取返しがつかないことになる場合があります!!
そうならないためにも、間違った方法や自分勝手な解釈を元にした自己流で取り組んではいけません。特に何らかの心身の疾患(うつ病など)を持ってる人は絶対に独学で行ってはいけません!!
ここでは間違ったマインドフルネスや瞑想に取り組んだ結果、どういうことが起きたのか?の2つの例を紹介します。
ある20代前半の男性はYouTubeで配信されていたマインドフルネスの取り組み方を参考に、実践を始めました。
実践して3週間ほどで言動や行動が大きく変化します。それまで口にするようなことがなかった暴力的な言動やそれに伴う行動が増えてきたのです。彼の家族や友人もその変わり様に恐怖や不安を覚えます。
それから数週間後、彼は幻覚が見えるようになり、同時に幻聴も聞こえるようになりました。幻覚や幻聴のせいなのか言動や行動がさらに過激になります。
日に日に独り言が増え、目は焦点が定まらず、家族や友人とまともなコミュニケーションを取ることが不可能になりました。
それから数日後、商業施設で暴れている所を警察に保護され、そのまま精神科に強制入院となったのです。強制入院の理由は重度の統合失調症と診断されたことです。
YouTubeで配信されているマインドフルネスの動画を見て、実践する前はどこにでもいる普通の若者でした。それがわずか2か月ほどで言動も行動も一変したのです。
うつ病を抱えていたある30代の女性は数年間、投薬治療を受けていました。何年も毎日、薬を飲んでいるのにも関わらずうつ病の改善が見られないことから、投薬治療に疑問を持ちます。
うつ病の改善に良いと言われる方法をネットや本屋で探していたところ、あるマインドフルネスの本に出会います。
「うつ病の改善に良い」「薬よりも効果的」「しっかりしたエビデンスもある」という情報を見てマインドフルネスに興味を持ったのです。
その本で紹介されているマインドフルネスの瞑想を元に、自宅で取り組み始めました。同時にネットやYouTubeで配信されている動画も参考にしたそうです。
取り組んでから数日は、睡眠が深くなったり心が落ち着いたりという効果がありました。しかし次第にその効果も薄れていき、ネガティブな思考や感情が浮かびやすくなったのです。
浮かんできたネガティブな思考や感情を追い払おうと、さらに瞑想に取り組みましたがネガティブな思考や感情は強くなるばかりです。その状態が1日中続くようになったことで、うつ病の症状が悪化し、ついには家から出ることが出来なくなりました。
ここで紹介した2つの事例は私が当人やその家族、友人から相談された事実です。*特定されないように少しボカシて紹介しています。
この事例の他にも数名、似たような相談を受けていますが、これらは氷山の一角でしょう。かなりの数の人が誤ったマインドフルネスや瞑想に取り組んだ結果、苦しんでいると考えられます。
なぜなら誤った情報を流しているサイトや動画が少し検索するだけでも、たくさんヒットするからです。
禅の世界にも「禅病」があります。これは誤った座禅(瞑想)を続けることで、抑うつ状態、統合失調症や自律神経失調症などが現れる症状です。
江戸中期の臨済宗の禅僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)も禅病を経験したことは有名です。昔から瞑想の危険性は指摘されていたのです。
ここまで読まれたきて「マインドフルネスや瞑想は怖い」「そんなに危険ならば取り組みたくない」と不安な気持ちになった人がいるかもしれません。しかしそのような心配は無用です。
たしかに間違ったマインドフルネスや瞑想の実践には危険性がありますが、正しい段階を経て取り組めば危険なことはありません。
包丁と一緒です。包丁も正しく使えば美味しい料理を作る優秀な道具となります。誤って使えばケガや傷つける道具にもなります。
大阪マインドフルネス研究所では、1000人を超える人達にマインドフルネスや瞑想の実践法を伝えてきましたが、心身に悪影響があった人は1人もいません!!
取り組み方が全てです。正しく行えば危険はありません。
マインドフルネスや瞑想は、ネットや書籍の情報だけに頼った独学ではなく信頼できる指導者の元で学び取り組んでください。
特に最初が重要です。最初に間違った方法を習うと、後から修正するのが大変です。慎重に情報収集を行って指導者を選ぶようにしてください。
当研究所がまとめた指導者の選び方も参考にしてもらえると良いでしょう。