マインドフルネスの瞑想や実践で「病気が治る」と聞くと胡散臭いと思うでしょう。
特に現代医学を学んだ医療従事者の前でこんなことを言うと「ありえない」と否定されるか、鼻で笑われます。
以前、ある医師の見解を知りたくて瞑想と病気の関係について話題を出したところ、バカにされた経験があります。
しかし多くの病気と精神的ストレスには関係があることがわかっています。
精神的ストレスが生じると、ストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンは短期的には有用な面もありますが、長期間の分泌は全身の細胞に炎症を引き起こします。
細胞の炎症はあらゆる病気やアレルギーの発症と関係していると言われています。つまり炎症度が高いほど病気の発症リスクが高くなるのです。
さらに細胞の炎症は免疫システムの働きも弱めてしまいます。
このような事実からマインドフルネスの瞑想や実践を続けると、病気が治ったり、予防することが可能なのでは?という仮説が成り立ちます。
なぜならマインドフルネスの瞑想や実践は、精神的ストレスの軽減に大きな効果があるからです。
現代医療のど真ん中にいる人からすれば、マインドフルネスで病気が治るといのは胡散臭い話しでしかありません。
しかし「祈りの力」や「気功」が医療関係者の間でも「治療効果があるのでは?」と注目を浴びている現在、マインドフルネスが胡散臭いという認識は時代遅れでしかないでしょう。
大阪マインドフルネス研究所には、様々な方がマインドフルネスや瞑想を習いに来られます。
その中には病気やアレルギーを抱えている方、慢性腰痛や不定愁訴で長年悩んでいる方も少なくありません。
しかしその人達の多くがマインドフルネスや瞑想に取り組んでから、抱えていた病気や症状を改善させているのです。
現代医療では治療方法がなく、国から医療助成が受けられる指定難病が治った人もいます。主治医が一番、驚いていました。
その方達は病気を治すためにマインドフルネスに取り組んだわけではありません。そもそもマインドフルネスの瞑想や実践は治療行為ではありません。
他の目的(ストレス軽減やメンタル強化など)で取り組んだにも関わらず、結果的に病気や症状が消えたのです。
もちろんマインドフルネスや瞑想で治ったという因果関係を証明することは不可能です。
たまたま治る時期にマインドフルネスに取り組んだだけかもしれません。
平行して取り組んでいた他の治療が効いたからかもしれません。
突き詰めると何が効いて治ったのかはわかりませんが、マインドフルネスで治ったわけではないと言うことも出来ません。
これは現代医療で行われているあらゆる治療ににも言えることです。
マインドフルネスに限らず、現代医療の薬や治療で病気が治ったことの因果関係を証明することも不可能です。
現代医療は科学的に証明されていると言う人がいます。
その拠り所がエビデンスです。エビデンスとは「証拠」「科学的根拠」「裏付け」といった意味で使われる言葉です。
エビデンスに基づく医療はEBM(evidence based medicine)と呼ばれます。現代医療の中心はEBMなのですが、実はEBMの有効性や効果はまだ証明されていません。
その理由の一つに医学は科学ではないということが考えられます。
医学を科学と考えている人がいますが、それは間違いです。再現性があるものを科学と呼びます。
全てとは言いませんが薬やワクチンなどの効果に再現性はありません。医学雑誌にエビデンスが掲載されたとしても、それは科学と呼べるレベルではないのです。
薬を投与したグループと投与していないグループに分けて経過観察をしてもあまり意味はありません。なぜならまったく同じ人間を二人用意することが不可能だからです。
年齢や性別、人種や食生活など似たような人間を集めたとしても体内で起きている代謝や精神活動は一人一人まったく違います。
被験者を厳選したと言っても厳密に公平に分けることは不可能です。
試験管の中でなら科学的データを取ることが出来るかもしれませんが、生きている人間を対象にした研究ではそれは無理です。
となると多くの医学エビデンスは科学的根拠ではなく仮説ということになります。
同様にマインドフルネスの実践や瞑想の効果も科学的に証明することは出来ません。
科学ではない現代医療で病気や症状が消える人がいるのと同様、マインドフルネスの瞑想や実践で病気や症状が消える人もたくさん存在するのです。
あなたはこれをどう考えますか?
ちなみに「病気を治す」「治療」を意味するメディケーション(medication)の語源は、瞑想を意味するメディテーション(meditation)から来ている説があります。
なぜある程度の効果が科学的に認められているマインドフルネスが日本の医療の現場で行われないのか?と疑問に思う人がいるでしょう。(補完的に行っている国はけっこうある)
その理由は3つあります。
まず1つ目の理由は、医療者に限らずほとんどの人にマインドフルネスや瞑想の知識や理解が不足していることです。
ここ数年は大手メディアで紹介されたり、有名人が実践することで一般の人達にもマインドフルネスの存在が知られるようになってきました。
瞑想教室やセミナーなども増えてきていますので、取り組める環境も以前より整ってきているでしょう。
しかしマインドフルネスは多くの人が思っているほど理屈も実践も簡単ではありません。
正しいマインドフルネスを教えてくれる所は少なく、本やネットの情報、アプリなどを元に独学で取り組んでいる人が大半です。
本やネットの情報、アプリを元に独学で取り組んでも変化や効果はほとんどありません。せいぜい「気持ちが落ち着いた」「リラックスする」といった程度です。
これは医療従事者も同様です。
マインドフルネスや瞑想に興味を持っている医療従事者は少なくありません。実際に大阪マインドフルネス当研究所にも医師や看護師、理学療法士などの医療従事者が学びに来ています。
しかしマインドフルネスを理解し、身に付けて現場に取り入れるためにはそれなりの経験と時間が必要になります。
医療従事者の多くは忙しく他の勉強もしなければいけないので、そんな時間と余裕がない場合がほとんどです。
私の知っている医師はマインドフルネスの効果をよく理解しているのですが、自身の実践経験や指導経験がないため、自信を持って患者に瞑想の指導が出来ないと言います。
2つめの理由はマインドフルネスの効果が出てくるのが遅いということです。
病気や症状を抱えている人達からすれば出来るだけ早く、症状や苦しみを手放したいわけです。
効果が出るのが遅いマインドフルネスや瞑想よりも、すぐに何かしらの効果が出る薬(プラセボも含めて)や外科的な治療の方が需要があるのです。
さらにマインドフルネスや瞑想はトレーニングなので自分の力で取り組まないといけません。
ある程度の努力も必要なので、めんどくさいと感じる人も少なくありません。
飲むだけの薬や何もしなくていい外科的処置の方が、良いと感じる人の方が多いでしょう。
特に医療への依存度が高いと言われる日本人はその傾向が強いと言われています。
治療者側も患者のニーズに応えたいので対処療法(投薬など)がメインになってしまうのです。(そっちの方が儲かるし)
これは医療者や患者といった個人的な問題だけではなく、もっと大きなシステムの問題でもあります。
医療の現場でマインドフルネスや瞑想が行われない3つ目の理由は「儲からない」からです。
当たり前ですが病院で提供される治療行為はボランティアではありません。病院を維持するためには利益を出さないといけません。
マインドフルネスや瞑想を患者に教えても今の医療システムでは一円にもなりません。
そんなことより薬や検査、ワクチン接種などを行った方がはるかにお金になります。
しかも下手にマインドフルネスや瞑想を患者に教えて、病気が治ってしまえば医療側は困るでしょう。製薬会社も「瞑想させるより薬を飲ませろ」と圧をかけるはずです。
ほとんどの医療者がマインドフルネスや瞑想の理屈や方法、効果を知らないということもありますが、儲からないというのも大きな理由ではないでしょうか。
多くの医療従事者から得た断片的な情報をつなげるとそういう印象を持ってしまいます。
マインドフルネスや瞑想には多くの可能性がある確信しています。
瞑想や気功にハマっている人の中には、現代医療を否定する人(医師の中にもいる)が少なくありませんが、それは極端な考えです。
どちらが良いとか悪いではなく、お互いが補完し合える関係がベストだと考えます。
海外のエビデンスを読んでみると、従来の治療に瞑想や気功を補助的に取り入れると単体で行うよりも治療効果が高いという報告がたくさんあります。
私が知っているある外科医は「手術を終えた患者に瞑想を行ってもらうと明らかに術後の経過が良い」と話しています。
最終的に何を選択するのか?は患者自身が選ぶことです。
マインドフルネスや瞑想を取り入れるのか?否定するのか?はその人次第なのですが、選択するためには知識が必要です。
そのための基本的な知識は、このホームページでお伝えしています。
出来れば全部のページに目を通して参考にして頂けると良いと考えています。